江戸時代は、260年以上もの間、経済の繁栄と戦争のない平和がもたらされた時代です。
そこには江戸商人のリーダーたちが築き上げた、よりよく生きるルールのようなものがありました。
その基本は思いやりの心(惻隠の情)を持って、みんなが仲良く、平和の下で共に生きるために争い事を少なくし、人に対する言葉遣いやしぐさにも気を配るというものです。
次第に江戸の町に住む人たちにも浸透していったと言われています。
そのような日本の心、特に江戸ならではの心映えが、後に芝三光師(江戸時代から6代にわたって続いた家系。曽祖父、祖父が江戸の講の講師)によって「江戸しぐさ」と名付けられ、芝師に師事した越川禮子氏が「江戸しぐさ」の語り部として今に伝承してきました。